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風雲もーれつ城
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『'''赤塚ギャグ・オールスター 風雲もーれつ城'''』(あかつかギャグ・オールスター ふううんもーれつじょう)は、『[[週刊少年サンデー]]』([[小学館]])[[1969年]]24号に読み切り掲載された、[[赤塚不二夫|赤塚不二夫とフジオ・プロ]]による[[時代劇]][[ギャグ漫画]]。
==概要==
当時『少年サンデー』に連載中の『[[もーれつア太郎]]』と、かつて連載していた『[[おそ松くん]]』、そして当時連載中断していた『[[天才バカボン]]』<ref>『バカボン』は『[[週刊少年マガジン]]』([[講談社]])1969年9号まで連載し、『少年サンデー』1969年35号に移籍連載するまで中断していた。</ref>のキャラクターが登場する[[クロスオーバー]]作品で、同年2・3号と21号に読み切り掲載した『ア太郎+おそ松』を引き継いでの掲載。内容は「お家騒動」で、抹殺されたもーれつ城の殿様の仇を打ち、そして首謀者の陰謀を暴くもの。
『バカボン』からバカボン、『おそ松』から月一連載時代にモブとして登場していた「ギャハハおじさん」がクロスオーバー初登場、また原作者の赤塚不二夫自身が、[[淀川長治]]風の解説者役で登場する。その一方で、六つ子の出番は1コマのみ、トト子に至っては初めてクロスオーバー作品に登場していない。
==ストーリー==
「もーれつ城」城下のとある長屋。少年貝売りのア太郎とデコッ八は、傘張り職人のバカボンのパパに貝を売ろうとするが、「アサリとシジミ買えよ」を「アッサリシンジメーとは何事だ」と間違われて殴られる。パパは町一番のバカなのだ。そこへ「もーれつ城」家老のデカパンが現れるや否や、突然パパにひれ伏す。そしてもーれつ城に戻ると、殿様に「殿はもしやふたごだスか」と尋ねるが、殿は「ふたごではないが弟がいる」「お城はきゅうくつだと武者修行に出てる」と言う。どうやらパパは殿のそっくりさんだった。
その頃もーれつ城ではよからぬ陰謀が動いていた。家臣の一人イヤミが、家臣仲間のダヨーン・ココロと結託し、殿を抹殺して城を乗っ取ろうと計画していた。そして毒を入手したイヤミはさっそく計画を実行、団子に毒を仕込むと、茶坊主のチビ太が持っていく団子に毒団子を加えた。何も知らない殿は毒団子を食べた途端、毒が全身に回って絶命した!! 衝撃を受けるデカパン家老!!
殿の死に泣き崩れるデカパン家老は、イヤミたち3逆臣が首謀者だと薄々感づいたが、決定的な証拠が掴めない。そこで3逆臣の陰謀を暴くべく、多少のバカさ加減は目を瞑り、パパに殿の替え玉になってもらおうと計画、ア太郎・デコッ八にパパを連れてくると、「殿様になってほしい」と懇願、パパも受理する。そしてパパはイヤミ達の前に現れ、イヤミ達は仰天。一方パパがいなくなった事で、息子のバカボンは「パパにあいたい」とア太郎・デコッ八に頼む。さっそくもーれつ城へ行くが、イヤミによって地下牢へ幽閉、さらにバカボンらの鳴き声を聞いたパパは、バカボンとも知らずに「死刑のハリツケにするのだ」と一言。これを聞いたイヤミは殿の秘密を暴くべく、ある策略を。
次の日の朝、バカボンは貼り付けに。これを見たパパは皆の前に現れ、バカボンを助けるよう懇願。これでパパが殿の替え玉である事がばれてしまった! イヤミら逆臣はここぞとばかりに、デカパン家老を「デカパンは今までだましていた」と攻め立てる! もはやこれまでか! その時チビ太茶坊主が「殿様を殺したのはイヤミだ!!」「毒入り団子を僕に運ばせたんだ!!」と一言、更に逆臣仲間のココロも裏切って「知ってるのココロ」と一言。全てがばれたイヤミとダヨーンはココロを切り捨て、更に忠臣達も全て切り捨てる。そしてイヤミはデカパン家老を追い詰めるが、そこへ殿の弟がやってきた!全てを知った弟はイヤミを一撃で切り捨て、一方ダヨーンもア太郎達によって退治された。
こうしてお家騒動は無事解決、新しい殿様はデカパン家老がなり、弟はまた武者修行の旅に出て行った。一方用が済んだパパは傘張り職人に戻るが、替え玉時代の殿様気取りは直らず、バカボンの手を焼かせっぱなしだった…<ref name="竹書房"></ref>。
==登場キャラクターと配役==
配列は登場順。
===『もーれつア太郎』より===
*ア太郎、デコッ八:貝売り
*[[ニャロメ]]:殿の飼い猫
*ココロのボス:「もーれつ城」家臣にして逆臣イヤミの協力者
*ブタ松:「もーれつ城」門番
この他、[[ケムンパス]]がモブとして登場している。
===『おそ松くん』より===
*デカパン:「もーれつ城」家老
*イヤミ:「もーれつ城」家臣にして逆臣
*ダヨーン:「もーれつ城」家臣にしてイヤミの協力者
*[[チビ太]]:「もーれつ城」茶坊主
*六つ子:「もーれつ城」御庭番
*ハタ坊:「もーれつ城」殿様の弟
この他、ラスト1つ前の駒に「ギャハハおじさん」が登場している。
===『天才バカボン』より===
*バカボン:傘張り職人の息子
*[[バカボンのパパ]]:傘張り職人、「もーれつ城」殿様
*レレレのおじさん:「もーれつ城」城内掃除人<ref name="竹書房"/>
===その他===
*赤塚不二夫:解説者
==単行本==
本作は次の『ア太郎』単行本に掲載されている。
*曙コミックス([[曙出版]]):第6巻
*ボンボンコミックス([[講談社]]):第6巻
*竹書房文庫([[竹書房]]):第5巻
*ebookjapan:第6巻
また次の赤塚漫画混成本にも掲載されている。
*「赤塚不二夫 爆笑ランド」VOL.3(講談社。1988年)
*「赤塚不二夫 爆笑ランド 面白すぎてこれでいいのだ」(講談社。2011年)
なお講談社以降の本で、原作や曙版に差別用語が入っている個所は書き換えられている<ref>例として、デカパン家老が殿に言う台詞「そのおとうとさまは'''クルクルパー'''だスか」が「そのおとうとさまは'''いじわるなやつ'''だスか」に変更。</ref>。また、ラストの赤塚解説者のセリフで、原作や曙版にあった「秋にはもっと長い漫画を描く」というセリフは、講談社以降の本では削られている。
==脚注==
<references />
==関連項目==
*[[もーれつア太郎]]
*[[おそ松くん]]
*[[天才バカボン]]
*[[最後の休日]] - 翌1970年の『少年サンデー』に掲載された次回作
[[Category:週刊少年サンデーの漫画作品]]
[[Category:漫画作品 ふ|ううんもうれつしよう]]
[[Category:おそ松くん]]
[[Category:天才バカボン]]
[[Category:漫画のクロスオーバー作品]]
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